陽子線治療とは?

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陽子線治療とは?

大淀支店の土屋です。本日は、中部国際医療センターのパンフレットを引用し、陽子線治療の概要をご説明いたします。

 

陽子線治療は放射線治療よりピンポイントでがん病巣を照射できる治療法

陽子線治療に似た治療法として、従来からある放射線治療があります。どちらも手術することなく体内のがん病巣にダメージを与える治療法ですが、放射線はエネルギーピークが線源の近くに来てしまうため、がん病巣以外の正常組織にもダメージを与えてしまいます。

その点、陽子線はエネルギーピークが線源より離れたところにあり、かつエネルギーピークの幅も狭いので、ピンポイントでがん病巣にダメージを与えられます。

 

 

また、中部国際医療センターにある最新の陽子線治療装置は従来のものに比べて精度が高く、4mm四方の精度で、腫瘍の形状に合わせて3Dプリンターの様に照射することができるとのことです。

 

陽子線治療の中でも「公医療保険適用」「先進医療対象」「自由診療」のものがある

陽子線治療というと「先進医療対象で約300万円かかる」というイメージがある方も多いと思いますが、全ての陽子線治療が先進医療対象ではありません。上図のように、公的医療保険適用のものもありますし、逆に先進医療の対象にもならず自由診療対象となるものもあります。

因みに、パンフレットには「300万円程度の自費」と記載がありますが、病院の担当の方の説明では、約350万円かかるとのことでした。

 

一回の治療時間は10〜15分だが、治療期間は2週間〜2ヶ月間

また、陽子線治療の特徴として、一回の時間が10〜15分と短いことが挙げられます。病院の担当の方も、近所の方ならお仕事の出社前や会社帰りに治療することも可能と仰っていました。


ただ、一回の治療時間は短いのですが、それを週3〜週5で2週間から2ヶ月間、継続して治療する必要があるとのことです。ですので、家から通えない遠方の患者さんは、近くのウィークリーマンションや民宿などから通うとのことです。

 

標準治療に比べて本当に効果があるのか?

そもそも先進医療とは、厚生労働省のHPによると「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」になります。

ですので、見方によっては「まだ十分な効果が実証されていない治療法」とも言えます。その点実際どうなのか病院の担当の方にお聞きしたところ、

・陽子線治療は先進医療に指定されてから十分な実績があり、放射線治療に比べて有効な治療であると言える

・それでも保険適用にならないのは、40兆円を超えてしまっている医療費を抑えたいなどの厚労省の都合によるものが大きい

・よく動く臓器に対しては効果が薄いなどの難点もあるが、得意な部位に関しては非常に有効な治療法であると考えられる

とのことでした。

 

陽子線治療はいいものだが、医療費が高額

以上、病院の担当の方のお話をまとめますと「陽子線治療は万能の治療法ではないが、得意な部位に関しては非常に有効な治療法である」とのことです。

注意点としましては、一部公的医療保険対象のものもありますが、先進医療対象のものも多く、その場合は治療費だけで300〜350万円かかることです。

また、病院が遠方で自宅から通えない場合は、2週間〜2ヶ月間、仕事休んでウィークリーマンションなどの宿泊施設使って通う必要があります。

そうなると、その間の休業損害、宿泊費や生活費、交通費も考慮するとプラス数十万円の負担が発生します。最近は医療保険やがん保険で先進医療特約にご加入されている方も多いと思いますが、治療に伴う二次損害までは十分に保障されない場合もあります。

これを機に、是非ともご自身の保険が十分な保障内容になっているか確認してみましょう!

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