「止まれ」なのに一時停止義務なし?
うちのお客様で実際にあった事故の話です。十字路での出会い頭の事故だったのですが、相手側には道路に「止まれ」の表示があったので、うちのお客様は「相手の方が過失が大きい」との主張でした。
因みに、信号なしで一方に一時停止の標識がある交差点での、両車とも同程度での速度での出会い頭の事故の基本過失割合は、20:80(一時停止ある方が80)になります。
ただ、今回の事故の場合、道路に止まれの「表示」(道路に白地で”止まれ”のペイント)はありましたが、止まれの「標識」(ポールに赤三角のやつ)はありませんでした。この場合、道路交通法上は一時停止義務がないため、保険会社が事故の際に過失割合の判断基準にしている「凡例タイムズ」の「一時停止の規制がある場合」に該当せず、信号機も一時停止の規制もない交差点での事故になってしまいます。
そうなると、両車とも同程度の速度だった場合、基本過失は40:60(左方優先で左方車が40)になります。今回のケースですと、うちのお客様が右方車になってしまいましたので、基本過失は60になってしまいました。ですので、お客様としては気持ち的には「20:80で相手が悪い」と思っていたのが、「60:40でこっちが悪い」となってしまいました。
何が言いたいかといいますと、今回のケースの様に、一般の方の感覚的な過失割合と法律の凡例で決まる過失割合には結構なズレがあります。そして納得いかないからといって、弁護士使って裁判に訴えたとしても、基本的には過失割合が大きく覆ることはありません。むしろ余計に凡例通りの過失にしかならない場合が多いです(私の経験上ですが)。
ですので、先ずは何より事故に遭わないために安全運転!そしてドラレコ装着!それでも事故に遭ってしまったときに備えて車両保険の加入をオススメいたします。
自損事故も補償されるタイプの車両保険は高くなってしまいますが、自損事故は対象外で、車と接触した際の事故は補償されるタイプの比較的お安い車両保険もございます。今回のような納得いかない事故に備えて、車両保険未加入の方は次回満期時に是非ともご検討下さい。