相場を知って投資詐欺から身を守ろう!
大淀支店の土屋です。今日は、最近話題になっている投資詐欺についてお話しします。
ニュースによると、エクシアという会社が「月利3%で元本保証」を謳い、約9,000人から総額850億円をだまし取ったとのことです。これは典型的なポンジスキームによる詐欺です。
ポンジスキームとは?
ポンジスキームは、1920年代にアメリカでチャールズ・ポンジが行った詐欺の一種です。その基本的な仕組みは次の通りです。
- 高利回りや高配当を約束して投資家から資金を集める
- 実際には資金を運用せず、新しい投資家から集めたお金を古い投資家への「配当」として渡す
- このサイクルを繰り返し、あたかも利益が出ているように見せかける
真っ当な投資では、集めた資金を運用し、その運用益を投資家に還元します。しかし、ポンジスキームでは資金を運用せず、新たな投資家からの出資を使って配当を装います。そのため、最初は順調に見えますが、新しい投資家がいなくなると破綻します。詐欺を行った人物は、逃げて消息不明になるか、仮に捕まったとしても集めたお金は既に使われていることが多く、取り戻すのは基本的に不可能です。
ポンジスキーム詐欺は毎年のように起こっている
ニュースにもありましたが、実際に8,700万円を騙し取られた人もいます。このような詐欺は定期的に発生しており、2010年以降に日本国内で100億円以上の被害を出した主要なポンジスキームだけでも、次のような事例があります。
- AIJ投資顧問事件(2012年)
被害額: 約1,830億円
概要: 年金基金から集めた資金を実際には運用せず、架空の利益を報告 - ジャパンライフ事件(2017年)
被害額: 約1,500億円
概要: 磁気治療器のレンタル事業を装い、高齢者から多額の資金を集める - ジュビリエース事件(2019年)
被害額: 約650億円
概要: 暗号資産の売買で利益を出すと説明し資金を集める - エクシア合同会社事件(2020年)
被害額: 約850億円
概要: 勧誘パーティーなどで高リターンを約束し資金を集める
これらの詐欺は、手口を変えながら現れます。詐欺師は自分から「私はポンジスキームです」とは言いません。その時々の流行や信頼できそうなテーマを利用して接近してきます。
さらに、知り合いが無意識に詐欺に加担してしまう場合も少なくありません。場合によっては、著名人を広告塔にして信頼感を高めることもあります。
世界最高の投資家でも年利は約20%
「月利3%で元本保証」と聞くと、投資初心者は「それくらいなら大丈夫かも」と思ってしまうかもしれません。しかし、月利3%は年利に換算すると40%以上になります。一方で、世界最高の投資家と言われるウォーレン・バフェットの生涯の平均利回りは年率約20%と言われています。
つまり、月利3%という運用成績は、バフェットの実績の倍以上に相当します。もし「元本保証でこれだけの成績を出せる」と言う人がいたら、その人は詐欺師だと考えて間違いありません。
たとえば、一般の人でも再現しやすいとされるインデックス投資の期待利回りは、全世界のオルカンで年率約5~6%、アメリカのS&P500で約7%程度です。しかも、15年以上の長期投資を前提にしており、もちろん元本保証ではありません。
相場を知って投資詐欺から身を守ろう!
「真っ当なインデックス投資でも年利5〜7%、しかもリスクがあり元本保証ではない」という相場感を持っていれば、詐欺に騙されにくくなります。皆さんも正しい知識を身につけ、大切な資産を守りましょう!
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